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りんご 木村秋則物語  11月10日昼 ル・テアトル銀座 [ジャニーズ出演 舞台]

「無農薬での栽培は不可能」といわれていた「りんご」の無農薬栽培に成功した青森の木村秋則さん。
今では、ネット販売では10分で完売するという「奇跡のりんご」。
NHK「トップランナー」などに紹介され、本もベストセラーになった、木村さんの半生をつづった作品が舞台「りんご」です。


りんご農家に婿に入ったアキノリを演じるのが長野くん。
妻ミチコを演じるのがサトエリこと、佐藤江梨子さん。


嫁ぎ先の両親に大鷹明良さん、梅沢昌代さん。
(ちなみに、義理の姉に尾上紫さん・・・と、「ゲゲゲの上房」のご近所さんたちが2人もいる(笑))
アキノリの幼なじみに前シリーズ水戸黄門の格さんの合田雅史さん、アキノリのやり方に反発しながらも支える実の兄に浅野和之さん・・・と、舞台やテレビで活躍する、演技派の方たちがずらり。

演出は「太鼓たたいて笛ふいて」などの栗山民也さんです。


当然、「りんご」というタイトル通り、木村さんが無農薬のりんご作りに成功するまでの話。
なので、ハッピーエンドは予測されるし、本を読んでいる人には、内容はわかるはず。



しかし、この舞台は、どちらかというと・・・・

「りんご」つくりそのものの話ではなく、「家族」の物語。

「なぜ、無農薬のりんご作りをそこまでして続けるのか」
その理由は、妻のミチコが農薬過敏で、農薬にかぶれるから。


「りんご」作りの研究にすべてを費やし、家族に「貧しさ」という大きな負担をかけてまで、りんご作りに没頭したアキノリに何も言わず、無農薬栽培を続けさせた家族の絆を描いたものだと思う。


前半、あんなに嫌がったりんご農家への婿入りをなぜアキノリが決めたのか・・・などなど、話を省略している部分が多く、話の展開が唐突な場面が少し気になるところ。
そして、長野くんと浅野さんが兄弟である設定にも少し、違和感があったりもする。


ところが、2幕・・・・。


自殺をしようとまで思いつめたアキノリが、岩木山のどんぐりの木から無農薬栽培のヒントを得てからの展開は、一度壊れた家族の再生を見て、ほんとに温かい気持ちになる。


数年まったく実がなることがなかった、りんごの初収穫。ゴルフボールくらいの小さなりんごを、家族で一切れずつ食べる場面は、ぐっときた。



1幕と2幕の大きな違いは何か・・・・・・と考えると・・・。


これが、小さなことなのだが、、、アキノリがメガネをかけているということ。


メガネ・・・・・たったこれだけの小道具なのだが、たったこれだけで、長野くんがビックリするくらい、「農家の青年」になるのである。


「小道具の偉大さ」を思い知った。

隣に、青森から来た方で、木村さんの農法で来年からコメ作りをするという方がいらっしゃったのだが、ちょこっとお話したら、メガネをかけてからの長野くんの雰囲気が実に木村さんに似ていたという。


すべて見終わると、滑舌のあまりよくない長野くんの前半の長ゼリフも、反対されても突き進むまっすぐな演技も・・・・・・・愚直なまでに「りんご」と向き合い続けた木村秋則さんという人の姿や半生に重なるような気さえしてしまう。


もっと芸達者な役者さんならまったく別な雰囲気になったかもしれない。
でも、私がみた長野博のアキノリは、素朴で生き方に不器用で、でも憎めない、そんな雰囲気になんだか温かい気持ちになった。


舞台の内容も、文字通りストレートプレイ。
話の内容も、伝えるメッセージもストレート。
それを巧い役者さんたちが、ストレートに伝えてくれて、客席にまっすぐに思いが伝わってくる話。
役者さんたちの演技も話もすべて「安心」して見られる。



「傑作」ではないのかもしれないけど、
終わった後、ほんと「ほっこり」する、「あったかい」舞台、そんな感じの舞台だった。



最後に・・・・・


私の見た回は、長野くんのファンではない層の方が多く、年齢や性別もさまざま。
その方たちが、最後のカーテンコールで、自然と立ち上がって拍手を送る姿をたくさん見て、なんかちょっとうれしかったです。



これから、全国をまわるようですが、この舞台が多くの人の心に響きますように。
長野くん、がんばれ。


P.S サトエリの足の長さに・・・・衝撃を受けました・・・・。
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