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そして「バイプレイヤーズ」は伝説になった [テレビ]

水曜日に最終回を迎えた、ドラマ「バイプレイヤーズ」。

シーズン2のオープニングで、海から登場する名バイプレイヤーの5人。

その遠藤憲一さんがめちゃくちゃかっこいい。
黒スーツにサングラス、スーツのポケットに手を入れ、颯爽と海からあがってくるエンケンさんがとにかくかっこいい。

大杉蓮さんがスタッフのもとに行っていて、撮影を終えたほかのメンバーが島ハウスをでていこうとするシーン。漣さんの残したメモを読み上げながら話す4人。その時の、ふとしたエンケンさんの表情がすごく寂しそうだった。私の推測でしかないが、おそらくこのシーン、漣さんが亡くなった後に撮影されたものだろう。

最終回の撮影は3割しか終わっていなかったという記事を見た。
メイキングで撮影されていただろうものや音声、そしてスマホでの撮影まで使い、残りの7割を埋め、完成させたバイプレイヤーズ最終回。

一人の役者の不在を見せず、まだ存在しているかのように見せる。
場所や物には、そこにいない人の「記憶」が残る。
そこには存在していないはずの漣さんが今も島で元気にすごしているようだった。
いなくなった大杉蓮さんへの「ラブレター」のようにも見えた。

私が映画をよくみるようになったのは高校生くらい。地元にあった全国で唯一「こたつのある映画館」が閉館してから、映画を見る機会がなくなっていたがWOWOWの開局で私の映画ライフは一変。単館系映画が好きになり、大学で上京してからは、ミニシアターに足繁く通った。
そのころから、この人たちはとにかくよく映画で見かけていた。
いつもどこかにでてくるおじさんたち。でもこれからの邦画には、大杉漣さんはもういない。

もともとはテレビ東京の深夜枠のドラマ。
バイプレイヤーを束にしたらそりゃあ主役はれるだろう、というノリの楽しいドラマだった。
深夜枠から大好きだった。毎回笑って、楽しんでいた。シーズン2で、深夜から午後10時にお引っ越し。ちょっとメジャーになったけど「テレ東だろ」なので、やっぱりマイナーなままのいいノリだった。
そのドラマが「300の顔を持つ」と言われていた大杉漣さんの最後のドラマになり、「大杉漣」の役名のまま亡くなっていった漣さん。

ドラマのラスト。
朝ドラスピンオフ「島おじさん」のオープニングを撮るというシーン。

オープニングと同じ黒スーツの5人。
大杉漣さんの「よっしゃ、じゃあ、行きますかね」で撮影に向かう5人の後ろ姿。

この後ろ姿がとにかくかっこいい。
めちゃくちゃかっこいい。
おじさん5人の後ろ姿がとにかくかっこいい。

ジャスミンの「やっぱ、アイツら役者バカだね」という言葉がもうすべてを物語っていたようだった。

この5人の後ろ姿、私の中で「バイプレイヤーズ」は伝説になった。

そして、ほんとのほんとのラスト。
4人が海に向かって後ろ姿で叫ぶ、「漣さんありがとう!」

名バイプレーイヤーが主役として役者人生の幕を閉じた。送りだした主役たちも仲間の名バイプレイヤーたち。大切にしていきたいドラマがまたひとつ増えた。
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