イッセ-尾形のつくり方 新潟編 2 [演劇]
2日めの夜の部。前日見た昼の部が40人ほどなのに対し、この回は、80人。森田さんを囲む車座も椅子と座布団で二重の輪ができていた。中には、家族での参加者もいたりする。見学だけの参加も可能なので、昼の部の参加者の顔も見える。
前日の復習から稽古はスタート。「身近にいるつまらなそうにしている人」を演じる。一人の演技に80人ものまなざしが向けられる。「見る」ことも立派な稽古だ。いったい何をしている人かに想像力を働かせる参加者たち。
今度は、イッセ-さんが入ってみる。椅子を並べ、ベンチに見立て、2人の即興芝居が始まった。
「休憩って最初から45分だったんですかねえ」とイッセ-さんがつぶやくと、隣の女性が「最初から45分ですねえ」と答える。二人になったとたんに話し掛けられた女性のキャラクターが変化した。
「普通だったら、そんな風に相手にしてないかもしれないよね」と森田さん。
テレビドラマや通常の演劇では、登場人物たちは、おおげさに動いたり、当たり前のようにかみあった会話をしている。しかし、実際の世界はどうだろうか。そんなにかみあった会話はしていないかもしれないのではないか。「日常の生活の中ではどうだろう」ということを考えてみないとただのお芝居ごっこになってしまう。「実際はこうなんだ」という日常を、「フツーの人々」がどうどうとやってみてほしい、と森田さんは投げかける。
また困った顔が増えていった。しかし、前日よりは、確実に前に進んでいる。それぞれのキャラクターが少しずつ明確になってきている。
イッセ-さんが最後に参加者に向かって言った。
「泥臭い生命力のある人物がぞくぞくと立ち上がっている気がしますねえ」。
演劇の作られ方って興味深いです。
例えば、こういった短期間のワークショップっていうと、
出来ることもかなり制限されるわけですよね?
参加者はただでさえ異空間に投げ出されているのに、
何かしなければいけないと思うほど、困惑してしまうのは当然のことでしょう。
困惑した時に、演劇素人であっても突発的にとった行動から生まれるものってあるんですよね。きっと。
こういったインプロビゼーションやエチュードを取材されて羨ましいです。
イッセー尾形さんは、銀幕でも素敵ですよね!
by wada (2005-11-20 00:42)
あと2回か3回続く予定。更新をお待ちください。
今回のワークショップは興味深かったよ。写真特集の反響もされないりにあり、うれしい限りです。特に、見ていた人からは「あの時の空気を感じた」とうれしいお言葉をいただきました。
by 都 (2005-11-22 00:20)
楽しみに待っております。
三越のライオンにも笑いましたが…。
都さんは就職してから、実際に写真に携わるようになったんですよね?
今や安価なオートフォーカスのカメラが出回っている時代で、
誰でもプロ並の写真が撮れてしまう時代ですから、
そういった褒め言葉って嬉しいものですよね。
まして、ただ良い悪いの評価ではなく、
「空気を感じた」という言葉は、格別のものだと思います。
by wada (2005-11-22 01:37)