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「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」 新潟りゅーとぴあ 3月4日 [演劇]

日にちは、前後しましたが、4日に、阿佐ヶ谷スパイダースの新作を見てきました。

長塚圭史さんイギリス留学から帰国後、第1弾の作品です。

ある小説家の物語。
新作を酷評され荒れる作家(光石研さん)。
編集者(池田鉄洋さん)を誘い、飲みにでたある夜、事件に巻き込まれ、逃走するはめに。
事件を追う刑事(中山祐一朗さん、山内圭哉さん)や自らの小説にでてきたと思われる女性(小島聖さん)、男女(伊達暁さん、馬渕英りかさん)や人形つくりに没頭する妻(村岡希美さん)・・・・・・も登場し・・・
これは事実なのか、それとも空想か・・・・・

この作品、一言で言うと・・・・・

「観客を不安へと迷い込ませる作品」

という感じでしょうか。


前半、事件に行き着くまでの展開は実に巧み。

ひとつの空間の中で、いくつかのできごとを交錯させるつくり。
時間軸もうまくずらしてはいるが、そのずらし方がすごく巧い。

思わず「おみごと!!」といいたくなる。
長塚圭史という人の頭の中はどうなっているのかのぞきたくなるくらい。


作家の逃走がはじまってから、とにかく登場人物が多数になるのだが・・・
作家の迷いと不安と・・・・いろいろな思いがめぐる頭の中で、作家に語りかける人々。
小説の登場人物と思われる人たちに、作品を酷評されたり、助けられたり・・・。

作家自身が「ここはどこなんだ」と不安になればなるほど、客席も不安になる。
今いる場所は現実なのか、
隣の人は実在するのか、
そもそも自分は存在するのか。

若干この後半部分が前半に比べて、テンポがゆっくりになることが残念かな。
台詞も長いこともあり、正直・・・少し長い・・と感じた。
前半のストーリーへの導入部分が、巧く展開される分、ちょっとしんどくなる・・・かなっといった印象はある。


きっと、この作品、見た人によってほんとそれぞれの感想があるんだろうな。
難解だった、わからない・・・という声が観劇後にとんでいましたが、
わからなくてもいいのかな・・・と。
「わからない」という世界そのもののおもしろさ・・・というか、そういうものや混乱や不安・・・そんなものが感じられればいいのかな・・・と思います。
だって、たぶん主人公の作家自身が「わからない」という迷いの中にいるんだから。


最後にテーブルに座るおだやかな表情の作家と妻。
妻が作ろうとしていた、男女対の人形のようにも見えました。

もしかしたら・・・・作家自体・・・存在していなかったのでは・・・。
妻が作り出した人形の空想の世界か・・・・・。


もう、最初から私の頭フル回転(笑)
途中・・・・頭の回転を放棄した時もありましたが、最後まで回転し続けました(笑)

笑ってスッキリな舞台も好きだけど
終わったあとに、心地よい疲れのようなものが残る舞台も好き。


時間軸をずらしたり、ひとつの空間でいくつもの事象を見せたり・・・ってこういう表現って、舞台じゃないとできないことだと思う。
舞台だからできる表現。舞台だからの緊張感。
いいね・・・心地よい時間とともに、濃い時間でした。



それにしても・・・・・・・中山祐一朗くん・・・・ここ3年くらい・・・私の中では、ジャニ以外では一番たくさん見た役者さんかも(笑)
そのくらい、よく見てる気がする。
けっこう好きだから、うれしいことだわ。
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