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「万引き家族」を見てきた [映画]

先日、是枝監督の「万引き家族」を見てきました。

何度もここで書いているとおり、是枝監督の作品は必ず劇場で公開されたら早めに見に行く・・・ということに決めているので、今回もなんとか見に行ってきました。
そして、その勢いで、家で一人是枝監督作品特集上映を開催しています・・。
何度も見た映画ばかりですが、これを期に初期作から振り返ってみたい・・・と思ったのです。

というのも、WOWOWでエドワード・ヤン特集をやっていて、「台北ストーリー」「恐怖分子」「クーリンチェ少年殺人事件」「ヤンヤン夏の思い出」をまとめてみたら、これがまた、とてもよかった。発表された順にみたら、また新たな発見もあってすごく充実していたのです。

ちょうど、日本映画専門チャンネルで是枝さんのドキュメンタリーの放送もあったので、久々に見直してみることにしました。


・・・・・・・・・さて本題。

ちゃんと、映画評として書いてもいいんだけど、ブログなんでざっくばらんに適当に書きます。

パルムドールで話題の「万引き家族」です。

話題すぎて映画館が満杯でしたよ・・・びっくり。
平日の朝イチでこんなに入るの、と。

とりあえず・・・「とてもよかった」です、はい。

私は、是枝監督の作風が好きなので、かなり贔屓目はあるかもしれませんが、とてもよかったです。

というのも、今回のこの作品。今までに比べて、監督の描きたいものが明確にでていたので、だいぶわかりやすい。そして、演者がすごく巧いので、とにかくよくできている。
おそらくだいぶたくさん撮っていたものをだいぶ削り落として、すっきりさせたんだろうな・・・・という感じもあって、伝わりやすい部分も多かったのかも。

都会の片隅で、身を寄せ合いながら、生きていく姿を描いた今回の映画。
決して「万引き」やほかの犯罪行為を肯定しているわけでなく、かといって断罪していくわけでもない。
ニュースになったら、「家族ぐるみで万引き、窃盗を繰り返す」「日常的に親が子どもを虐待」と犯罪行為だけで語られ、見えることのない家族の日常を丁寧に描いていく。その日常から家族の形や貧困などの問題があぶり出されてくる。

相変わらず、派手さはありません。
そして単純ではない感情が生まれる。

みんながおもしろいとは思わないだろうし、批判も多いだろうし、ネットでは公開前から、場外乱闘のような状態になり、国会でまで「監督を祝福をしないのか」という騒ぎに。
この映画をちゃんと見たら、まず国会で祝福するかしないかではなく、国会で、このような家族が生まれないための話し合いをしっかりしてくれ、と思う。

もうね・・・とにかく、常に感情がいろいろ動く。
笑ったり、ぐっときたり、つらくなったり、・・・。

安藤サクラさんのラスト近いシーンの数々が圧倒的にすごい。
そりゃあ、ケイト・ブランシェットも「わたしがあの泣き方をしたら安藤さんのマネだと思って」って言うよ。あれはすごいよ。
そして、そのシーン。もう構図が「ワンダフルライフ」。ワンダフルライフであんなにたくさんの人が自分の大切な思い出を幸せそうに語っていた構図なのに、安藤サクラさんのシーンはもう、つらく悲しい。そのつらさの奥にある幸せだった時間が見えて、余計につらい。
すごいな・・・この人、ほんとすごい。

そして、松岡茉優ちゃんが、想像以上によかった。
この人、こんなにいい女優さんなんだなあ、としみじみ。

そして、今回初めて、家族の中での「性」をわりとちゃんと描いていて、おお、と思った。

今まで、山崎裕さんのカメラワークが大好きだったんだけど、今回初タッグの近藤龍人さんの撮影がすごくよかった。今までなかった俯瞰の絵もすごく美しかったし、なんだろうな、主張がないようである・・というか、すごく物語に寄り添っていた感じがしてすごくよかった。

・・・・と、よかったしか言ってない(笑)

まだ、公開してすぐなので、ネタバレするのもあれかなーと思って、かけないことが多すぎる(笑)
そのうち、時間が立ってから、またちょっと語りたい。

是枝作品の今までの要素がうまくからみあってて集大成で真骨頂・・・・まさにそんな感じ。

もう一回見に行きたいなあ・・・・。

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