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金閣寺 3月10日 梅田芸術劇場  [ジャニーズ出演 舞台]

「金閣寺」を見てきました。

感想をざっと。

「金閣寺」の内容については、あまりにも有名だし、語るべきことは、ほかの人が語ってくれるので、よしとします。

宮本亜門氏の演出作品は初めて見ました。

舞台装置は教室。そして机とイス。
移動や組み換えも演出として見せ、照明を巧みにあやつり、場面を変える。
ミュージカルに定評のある演出家だけあって、寺の一日など、ところどころで予想外のスピーディーな動きも。
変化に飛んだ演出は飽きさせない。

金閣寺を擬人化する・・・というのも、納得。
溝口が憧れ、愛し、そして憎む・・・そのたびに変化する金閣寺は溝口の心を映し出すようにも思える。

主演、脇役ともになかなかのキャスティング。

ファンが語ってもなんの説得力もないが、森田剛がいい。
実にいい。
私が抱いていた溝口のイメージにぴったり。
吃音というコンプレックスを持つ溝口の持つ心の闇や迷い、孤独・・・剛が立派に体現してみせた。
この男、ほんと「舞台」向きなんだな、としみじみと思った。


話の筋は、演者が朗読。
原作ありきの作品だし、三島由紀夫という存在があってこその作品であるので、本文の朗読を挟む演出は良いと思う。


しかし・・・・手持ちマイクを使っての朗読は残念だった。
マイクを使うな、とは言わない。
広い会場で生の声では届かない。
せめて、ピンマイクなど、小さなものをしこんで欲しかった。


手持ちの普通のマイクで、せっかくつくり込まれた舞台演出が分断されたように感じてしまった。ちょっと現実的すぎるというか。


日本語の響きや三島作品独特の言葉の美しさを、もっともっと楽しみたかった。
「マイク」ひとつの問題ではないのかもしれないが、せめて「視覚的」にも舞台演出に組み込まれた朗読の響き日本語の響きを楽しみたかった。


ラストシーン、金閣寺に火を放った溝口がつぶやく「生きよう」という言葉。
森田剛の表情、雰囲気と言葉が絡み合い、ずっしりと余韻を残していた。




舞台の感想とはちょっとずれるけど・・・
主要キャスト3人を見ながら(もちろん、みんなよかったが)


大東くん、高岡くんは、「映像」で輝く人。
森田剛は「舞台」で輝く人。


・・・だなあ・・・・と個人的には勝手に思ってみたりもしていました。
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ミシマトリプル [ジャニーズ出演 舞台]

どうやら、大阪は、現在、ミシマダブルどころじゃなく、ミシマトリプル状態らしい。


ミシマダブルと、金閣寺で、どうも3本も三島作品が舞台上演されているようだ。

しかも演出は、蜷川幸雄氏と宮本亜門氏。

主演は
生田斗真、東山紀之、森田剛。


おおお、なんかすごい、ごっついことになっているじゃないか。

…というわけで、「金閣寺」を見てきました。

こんな状況なので、東山さんが見にきてた模様。


カーテンコールで男の人の声が聞こえたので、蜷川舞台関係者がまとまってきてたのかな?

見えなかった


宮本亜門演出は見るのは初でした。

剛よかったです。

そして三島文学はやっぱり、言葉の響きがいい。

個人的には、剛に同じ三島作品の「近代能楽集」の「弱法師」をやって欲しい。

詳しい感想はまたあとで。
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ゾロ ザ ミュージカル 2月10日 日生劇場 [ジャニーズ出演 舞台]

忘れないうちにざっくり感想を。

オープニングからのスパニッシュな雰囲気がもうすでに楽しくなる。
「ジプシーキング」の名曲の数々と響き渡るスパニッシュギターの音色、熱いフラメンコのリズム・・・・色で表すなら、この舞台は間違いなく「赤」だろう。

何度も映画化され、世界で愛される「ゾロ」というヒーローの活躍を、テンポよく楽しませてくれる。


村の総督の息子ディエゴは、親を亡くしたラモンとともに兄弟のように育てられる。
厳しい父に反抗してサンフランシスコからスペインに渡ったディエゴは、ジプシーたちと生活をともにしていた。
そこに突然現れた幼馴染のルイサ。
父の死後、村人を苦しめ独裁者となったラモンを、止めてほしい・・・という。
生まれ故郷に戻ったディエゴが、見たものは、ラモンの圧政により苦しむ村人たち。
「ゾロ」に変装し、ラモンと戦うことを決めたディエゴ。
2人の戦いは、ルイサとの恋の行方は、そして村人はどうなるのか・・・・。


・・・と、「勧善懲悪」型の話であるが、この舞台に引きこまれるのは、単なる「勧善懲悪」の話でないからだろう。


独裁者となったラモンだが、実際は血のつながらない父の愛情を求めるあまりの暴走にも思える。父の夢を追うがあまり、方向性が狂う。
少しの歯車の違いが悲しい悲劇へと向かっていく。

ラモンの嫌な部分を演じる石井一孝さんが実に嫌な感じで演じてくれるのだが、ラモンの生い立ち、父とのやり取り、兄弟愛と、最後の最後まで救われることなく描かれるラモンが実に切ない。

血はつながってはいなくても、「兄」と思い慕うディエゴと剣を交えなくてはならないことは、決闘シーンではあれども哀しさを感じる。


・・・・・ラモンに関しては、そうなのだが、物語全編は、アクション活劇。
ダンス、歌、アクションともに、ゾロの活躍が心地よく、楽しい。

アンサンブルのフラメンコも、さすがスペイン人のフラメンコダンサーが演じているだけあって、素晴らしい。

ジプシー、イネスの存在感も素晴らしい。
私が見た回は、池田さんだったが、島田歌穂さんバージョンも見てみたい。
イネスはとにかくかっこいい。
たぶん、どの男役よりも粋で男らしい。

そして、ラモンの部下ガルシアのユーモアたっぷりな演技も実に楽しませてくれる。
我さんの回を見たが、これまた芋洗坂係長の回も見てみたい。


・・・・と、ここまで感想を書いておいて、坂本くんは??という感じだが、
坂本くんのディエゴ、歌、踊りともに良い。
いつもの何倍もかっこよく見える。
そして、いつもより、完全に動きがスパニッシュな感じである。
最後の客席の煽り方には驚いた(笑)。よく見る坂本くんではなくそこにいたのは「ディエゴ」だった。



カーテンコールでは、踊りたくなります。
拍手をおくる・・・というよりは、自分も一緒に踊る感覚。

フラメンコのリズムの手拍子は難しいが、音があまりでない形でいいから、見よう見まねでカーテンコールでは手拍子にのってみる・・・そうすると、ほんとに、踊りたくなります。


つくられた「やらされている感」たっぷりのスタンディングではなく、みんなで踊るためのスタンディング。そんな一体感で気持ちよく終わる「ゾロ ザ ミュージカル」。
もう一度くらい見に行ってもいいかな、と思う。
 
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ゾロ [ジャニーズ出演 舞台]

フラメンコが習いたい

え、そこ(笑)!?


無性に踊ってみたい。

あのアンサンブルに混ざって踊ったら、最高に楽しそう!!


スパニッシュギターがすごく心地よく、フラメンコのリズムが爽快。



坂本くんが、5倍くらいかっこよくみえた。


池田イネスすげー


石井ラモンが最後の最後まで切ない。わるいやつだけど、生い立ちやら、環境やら切ない。


どうも、私の席のまわり、石井さんファン多数だったみたい


あら、アンサンブルに滝さま舞台でよく見たJAEの人がいて、びっくり!!

意外だった!ここにいたか!


大塚ちひろちゃん、といえば…実は映画デビューは、「シベ超2」

いらない知識。しかも、消された過去らしい


楽しかった。よかったゾロ。
すごいぞ、ゾロ。


詳しい感想はまた改めて。
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りんご 木村秋則物語  11月10日昼 ル・テアトル銀座 [ジャニーズ出演 舞台]

「無農薬での栽培は不可能」といわれていた「りんご」の無農薬栽培に成功した青森の木村秋則さん。
今では、ネット販売では10分で完売するという「奇跡のりんご」。
NHK「トップランナー」などに紹介され、本もベストセラーになった、木村さんの半生をつづった作品が舞台「りんご」です。


りんご農家に婿に入ったアキノリを演じるのが長野くん。
妻ミチコを演じるのがサトエリこと、佐藤江梨子さん。


嫁ぎ先の両親に大鷹明良さん、梅沢昌代さん。
(ちなみに、義理の姉に尾上紫さん・・・と、「ゲゲゲの上房」のご近所さんたちが2人もいる(笑))
アキノリの幼なじみに前シリーズ水戸黄門の格さんの合田雅史さん、アキノリのやり方に反発しながらも支える実の兄に浅野和之さん・・・と、舞台やテレビで活躍する、演技派の方たちがずらり。

演出は「太鼓たたいて笛ふいて」などの栗山民也さんです。


当然、「りんご」というタイトル通り、木村さんが無農薬のりんご作りに成功するまでの話。
なので、ハッピーエンドは予測されるし、本を読んでいる人には、内容はわかるはず。



しかし、この舞台は、どちらかというと・・・・

「りんご」つくりそのものの話ではなく、「家族」の物語。

「なぜ、無農薬のりんご作りをそこまでして続けるのか」
その理由は、妻のミチコが農薬過敏で、農薬にかぶれるから。


「りんご」作りの研究にすべてを費やし、家族に「貧しさ」という大きな負担をかけてまで、りんご作りに没頭したアキノリに何も言わず、無農薬栽培を続けさせた家族の絆を描いたものだと思う。


前半、あんなに嫌がったりんご農家への婿入りをなぜアキノリが決めたのか・・・などなど、話を省略している部分が多く、話の展開が唐突な場面が少し気になるところ。
そして、長野くんと浅野さんが兄弟である設定にも少し、違和感があったりもする。


ところが、2幕・・・・。


自殺をしようとまで思いつめたアキノリが、岩木山のどんぐりの木から無農薬栽培のヒントを得てからの展開は、一度壊れた家族の再生を見て、ほんとに温かい気持ちになる。


数年まったく実がなることがなかった、りんごの初収穫。ゴルフボールくらいの小さなりんごを、家族で一切れずつ食べる場面は、ぐっときた。



1幕と2幕の大きな違いは何か・・・・・・と考えると・・・。


これが、小さなことなのだが、、、アキノリがメガネをかけているということ。


メガネ・・・・・たったこれだけの小道具なのだが、たったこれだけで、長野くんがビックリするくらい、「農家の青年」になるのである。


「小道具の偉大さ」を思い知った。

隣に、青森から来た方で、木村さんの農法で来年からコメ作りをするという方がいらっしゃったのだが、ちょこっとお話したら、メガネをかけてからの長野くんの雰囲気が実に木村さんに似ていたという。


すべて見終わると、滑舌のあまりよくない長野くんの前半の長ゼリフも、反対されても突き進むまっすぐな演技も・・・・・・・愚直なまでに「りんご」と向き合い続けた木村秋則さんという人の姿や半生に重なるような気さえしてしまう。


もっと芸達者な役者さんならまったく別な雰囲気になったかもしれない。
でも、私がみた長野博のアキノリは、素朴で生き方に不器用で、でも憎めない、そんな雰囲気になんだか温かい気持ちになった。


舞台の内容も、文字通りストレートプレイ。
話の内容も、伝えるメッセージもストレート。
それを巧い役者さんたちが、ストレートに伝えてくれて、客席にまっすぐに思いが伝わってくる話。
役者さんたちの演技も話もすべて「安心」して見られる。



「傑作」ではないのかもしれないけど、
終わった後、ほんと「ほっこり」する、「あったかい」舞台、そんな感じの舞台だった。



最後に・・・・・


私の見た回は、長野くんのファンではない層の方が多く、年齢や性別もさまざま。
その方たちが、最後のカーテンコールで、自然と立ち上がって拍手を送る姿をたくさん見て、なんかちょっとうれしかったです。



これから、全国をまわるようですが、この舞台が多くの人の心に響きますように。
長野くん、がんばれ。


P.S サトエリの足の長さに・・・・衝撃を受けました・・・・。
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ULTRA PURE 3月15日 [ジャニーズ出演 舞台]

今さらながら、・・・・

あう時間で適当に一幕見で歌舞伎を見にいったのですが、あとで気がつきました。
第2部で「弁天娘女男白浪 浜松屋見世先の場」をやっていたことに。
これって、あれですよね!!
お城のあのMADの小芝居のあれですよね!!
あああ・・・・・間に合ったのに~こっちも見に行けばよかった。

・・・・・さて。


「ULTRA PURE」です。


舞台は、長野の山小屋。
春スキーにやってきた、乗馬クラブつながりの男女グループ。

女の子がニガテ、馬オタクの主人公の俊太郎(三宅健)は明日30歳になる29歳。
まわりの噂では、モテモテ、自由恋愛の達人といわれる俊太郎・・・実は”チェリー”。
今回こそは!!と覚悟を決めてやってきた俊太郎。そこには幼なじみのしおりの姿も。

楽しい春スキーのはずが・・・・
突然の地震と雪崩れが起こる。

死を意識した俊太郎・・無事に卒業できるのか・・・



・・・とまあ、ざっというとこんな感じのコメディーです。


一言でいうと

「普通におもしろかった」。

そんな感じです。

すみません・・・すごく普通で。

健ちゃんは、今までの役よりもしっくりきていたし、よかったかな。
ピュアな感じもでてたし。かわいい感じもでていたし。

福島カツシゲさんのスキー学校の先生と、おぼっちゃまな瀧川英次さんはあいかわらずおもしろい。
笑いを提供してくれました。
このあたりキャラが濃すぎ。
特に、あのバブル期の臭いのするスキーウェアとか、サングラス焼けとか、ウェア脱いだらタンクトップとか・・・・わかる分だけツボに入る。

おもしろかった。笑った、笑った。


・・・・・・・・・・・・・・・以下、ちょっとまじめに話すと。


少しパワー不足は否めないかな・・・・というのも、正直な感想。

笑えるし、おもしろい。肩もこらなくて、気楽に見られる。

いい意味でそうなんだけど、ちょっと物足りない感もあり。

あのありえない設定だったら、もっとキャラ設定を濃くして、ありえない展開にしたほうがおもしろいかも。
特に・・・女性陣。かわいい子ばっかりなんだけど、しおりちゃん以外は、もっと濃い役者さんでもよかったかな。
もしくは、もっとがっつりいってくれたらよかったかな・・・と。
「セクシーすぎるだろ!!」というのなら、もっとセクシーにどーーーんと迫ってくれるほうがおもしろいだろうし。

こずえちゃんと、「せ」のさくぞうさんの話も、もうちょっと膨らまして欲しかったな。
なんか、さらっとしすぎていて、残念。

もっともっと全体的に濃くしてくれたら、もっともっと楽しかったかな・・・・

と、思うわけです。


ここのところ、立て続けに芝居を見ていたから(しかも濃い目)、そう感じるところもあるかもしれないから、なんともだけど。

まあ、そのへんは人それぞれってことで。
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ピュアだ~ [ジャニーズ出演 舞台]

メーンの用事は、健ちゃん舞台「ULTRA PURE」でした。


楽しかった~。

どーなってるの、だっけ?の番組の再現VTRに出てくる人がおもしろかった~。

スキーウェア…なんだかみんな、微妙に古いし、バブル時代の臭いがするし(笑)

なんかバカバカしくて、でもピュアで暖かくて、いい芝居でした。


今まで健ちゃんは、いろいろな挑戦をしてきたけど、今回が一番しっくりきたかな、と思いました。


うん。ピュアだった。ウルトラピュアだった。


今日は、なんか、いろいろな人を見たり、会ったり…。うん、いろんな意味で濃かった。

動きすぎな感じはありますが、ほんとに詰まった一日でした。


では、これから帰ります。
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血は立ったまま眠っている  2月8日 Bunkamuraシアターコクーン [ジャニーズ出演 舞台]


地下鉄の鉄骨にも
一本の電柱にもながれている血がある
そこで血は立ったまま眠っている


1977年代生まれの私は、1960年という時代も安保闘争も知らない。
もちろん、日本史で学んだある程度の歴史的なことは知ってはいるが、その時代を肌で感じ、体験したわけではありません。
そして、寺山修司が生きて、作品を世に生み出していった時代を知りません。


私たちの世代がその時代を感じることができるのは、演劇や、本、映像・・・・・そのようなものでしか、感じることができません。
その時代の演劇や本が残っているからこそ、今の時代でも感じることができる・・・・ともいえるのかもしれません。


「血は立ったまま眠っている」。
1960年に書かれた寺山修司の処女戯曲。
これを、その時代から別の形で演技界で生きてきた蜷川幸雄さんが演出をし、寺山氏の「天井桟敷」に関わった役者さんたちや若手の役者さんたちと創り上げた今回の舞台。
その時代を体験した人たちを通して、その時代の「熱」を主演の森田剛や私たち世代が追体験しているかのような感じがした。


舞台は競馬場の裏にある港町。
「革命」を目指し、日々「破壊活動」を繰り返す灰男(窪塚洋介)と、灰男に憧れ慕う良(森田剛)。
町の倉庫に住み付く二人のもとに現れる良の姉。詩を書く少女、夏美(寺島しのぶ)。
夏美と恋に落ち、次第に臆病になっていく灰男。
ある日、現れた週刊誌記者にテロ活動を促され、灰男と良の関係に亀裂が生まれる。

一方、町の床屋にたむろする、麻薬中毒のボクサー、朝鮮人ドラマー、売春婦、前科者・・・。
闇取引でリンゴを売り、一儲けしようとする。

物語は、この二つの話が同時にかわるがわる展開していく。


私は寺山氏にも詳しくないし、蜷川さんのお芝居もたくさん見ているわけではありません。
なので、以下、私が感じたこと、思ったことです。
もちろん、ネタバレしています。



「ぼくは自由に恋していたのだ」


「恋」という言葉。
一瞬に燃え上がり、はかなく消えるもの・・・そんな印象がある。


見えない「自由」を追い求めた良。
自分たちの手で「革命」を起こすことで、政治を変え、社会を変えることで、「自由」が手に入ると純粋に信じ続けたのだろう。
そして、「自由」への革命の旗を振る灰男が臆病になったとき、自らがその旗を振ろうとする。


しかし、良は「自由」を手にすることはできなかった。
かわりに手にしたものは「姉の死」と何も変わらないという「現実」。


良を突き動かした「自由」への「恋」。
その感情が「恋」であると気付いた瞬間、響く爆発音。
灰男が起こした(と思われる)爆発音は、良が「自由」を求めた革命は恋のようにはなかく何も変わらない、政治への反発やテロでは何も変わらないという「現実」を知った良の心の爆発音であるとも感じる。


その一方・・・・闇取引に失敗し、刑務所にいこうと集団万引きをしようと乗り込んだ、床屋にたむろしていた男と女はたくましい。
決して、恵まれた環境にいるわけではない彼らは、革命なんかでは「自由」は手に入れられないことを知っているかのようにも思える。とにかくたくましく、生き抜く熱さを感じる。
良が「恋」に恋して手に入れられなかった「自由」を、彼らは自由でない生活の中で、精神的には手にしているようにも思える。


扉はあけっぱなし、なんでもそろっている、まったく現実的ではない、刑務所。
その刑務所にいるびっくりするほど現実的ではない保険屋さん。


そして、そこで、いつものようにたむろする人々。
たわいもない、どうしようもない相談をし、踊り歌う。


「自由」を手にしているように見える彼らも結局は「幻」でしかないのだろうか。


そう思うと、良の恋した「自由」は、やっぱり「恋」でしかなく、手に入ることは決してない幻なのだろう。


とにかく、熱い。
この芝居は熱い。


「なんだかよくわからない」というのも事実。
でも「なんだかよくわからない」得体のしれないパワーを感じる。


パンフレットで寺山氏の世界を「コラージュの世界」と表していたが、まさに「コラージュの世界」。
いろいろなものが混沌と存在する舞台。
だからこそ、生まれてくる得体の知れないパワー。


この良という役。
森田剛。適役だと思う。
贔屓目もあるかもしれないけど、私の予想以上だった。


畳み掛けるようなセリフの膨大な言葉の嵐。


30代の剛は、舞台の上では17歳のテロリスト良として、しっかり存在していた。


イノッチが「イノなき」に書いていた
「アンダーグラウンドで、エンターテイメント」な舞台。
まさに、その通りかな・・と思います。


そして・・・・遠藤ミチロウさんのブルース。
めちゃめちゃかっこよかったです。


もう、冒頭の搬入口から革命の旗を振って走ってくる感じとか、「でた!!蜷川演出!!」みたいな感じで最初っからちょっとニヤっとしちゃったし、金守珍さんもひさびさに見たら、キレキレの演技してたし、マメさんや日野さんが出てくるとワクワクするし・・・。柄本くんは「やっぱこの人は映画のがいいな・・」とか普通に思ったり、蘭さん見てなんか感動したり、六平さんすげーな・・・とか、子供役の大橋くんの飛ばした演技がよかったり・・・・・


もう・・・・・イチイチ、ワクワクしていました・・・・・。


なんだろうね・・・・とにかくパワフルなんだよ。
「圧倒される」というか。


そして・・・・何気に、パンフがおもしろい。
実に興味深い。
ぎっしり、つまってる感じ。蜷川さん、長塚さん対談とかまであるとは。
今、読み込み中です。しばらく楽しめます。


もう1回みたいな・・・・・という気持ちと、1回で十分満足、むしろその余韻をじっくりかみ締めたい・・・その気持ちが今、混ざりあってます。
(といっても、今後観劇の予定はないのですが)。

実に充実した時間でした。
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アングラだわ [ジャニーズ出演 舞台]

お!マメさん、お元気で何よりです!!


いやあ~、「血は立ったまま眠っている」おもしろかった~!!


アングラだわ、濃いわ、パワフルだわ。


寺山的な、雑多でパワフルで、どこか幻想的世界。
蜷川的な、舞台に対する貪欲さや、力強さ、そしてどこか漂うある意味「美的」な世界。


2つが重なるとこうなるのか~と。

ひさびさに見ててワクワクした芝居だわ。


そして、やっぱり、言葉って強いね。寺山脚本の言葉は強い。


寺山ファンとおぼしき叔母様がロビーで話してた。

「言葉は生きてる。生き残ってる」
って。


うん。まさにその通りだと思います。


剛、見事でした。
あの時代のパワーを剛が体いっぱいに体現してました。


感想はまたあらためて書きます。


PS…晃くんが今日、保釈されたようですね…。
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オール・シュック・アップ 10月12日昼 青山劇場 [ジャニーズ出演 舞台]

あらためて、「オール・シュック・アップ」です。

舞台やコンサートを会場で見る楽しみは、やっぱり「生」であること。

ステージ上でのパフォーマンスが客席を動かし、
客席の盛り上がりがステージの上の役者さんたちに伝わり、さらに盛り上がる。

すごく当たり前のことなんだけど、双方向の「熱」が伝わり合うって、当たり前のようで、以外となかったりもする。

特に、ジャニーズ関係のコンサートや(場合によっては舞台でも最近は起きてしまっているらしい)では、客席のファンが出演者にアピールすることで必死になり、この舞台やコンサートでの当たり前のやり取りができなくなってしまっている状態も目にしてしまう。

それがいいことなのか、良くないことなのか。
人それぞれの意見もあるだろうし、ユニやタレント、それを応援するファンによって意見がそれぞれあることだからどれが正しいとか悪いとか、そういうことでもないとも思う。

でも、私個人的には、双方向でも、「熱」のやり取りを感じるような、そんな会場や内容、雰囲気が好き。

そんな原点というか、そういう気持ちを思い出させてくれるミュージカルが「オール・シュック・アップ」。


音楽で、自然に体を動かしたくなる、
思いっきり笑える、
特定の出演者だけでなく、誰もが主役に見えてくる、

そして、とにかく楽しい。


街でいちゃつくことと音楽を禁止された街にバイクでやってくる流れ者、チャド。
チャドが街にやってくることで、街の人々に変化が。
街中の誰かが誰かに恋をしている。思いを伝えようと奔走する人々を描いたコメディー。
プレスリーの名曲で構成されるこの「オール・シュック・アップ」。


はっきり言ってしまえば、すさまじくバカバカしいんだけど、
すごくすがすがしい。

出演者の方々がみんな楽しんで演じているのが、すごくわかる。
この人たち「1回」「1回」を大切に、楽しんで演じているんだろうな・・・というのがすごく伝わってくる。

そして、客席が、どんどん熱のようなものを帯びてくるのがすごくわかった。

後半、もう、手拍子の手の高さがみんな高い。
はやく立ち上がって一緒に踊りたい!!
そんな雰囲気が会場に漂う。


昨日も書いたけど、私の数列前のおじさま、おばさま方がすごい勢いでスタンディングオーベーションで立ち上がり、ノリノリ。
もう、途中から、うずうずしていたのが、後ろからでも伝わってきた。

そういう自分もすごくワクワクしたわけで。


「ステージ」を生で見ることの意味というか意義というか・・・
そんなものをひさびさに体感した気分です。


イノッチ並に
「ご期待ください」
と言いたくなります。ほんとに。


と、ここまで書いて
「坂本昌行」というこ言葉が一度もでてこない(笑)
「坂本昌行」がどうのこうのじゃなくて「チャド」なの「チャド」。
で、主演が・・・とか誰がどうのっていうより「オール・シュック・アップ」なの「オール・シュック・アップ」。
まさに、そんな感じ(笑)

これからいく方々。
「ご期待ください」

そして、まだチケットを手にしていない方。
「損はさせませんぜ」


ジャニーズ主演じゃちょっと・・・。と思われる方、侮ることなかれ。坂本くんはミュージカルアクターと並んでも決して引けをとりません。
会場はジャニーズファンよりも、「ミュージカル好き」の方や「プレスリーの好きな方」「宝塚のファンの方」ほかの「出演者の方のファン」などなど、たくさんの方がいらっしゃるので、躊躇する必要もないでしょう。

「ジャニーズ好きだけど、坂本くんは・・・」とか「ジャニーズ好きだけどジャニ舞台しか興味ないの」という方。
これを機会に、ジャニ舞台から一歩出た作品に挑戦してみてはいかがでしょうか。
きっと、新しい何かが見えると思います。

とにかく・・・・
「ご期待ください」。

そんな感じです。


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